コラム “志・継・夢・承”
事業承継やM&Aにまつわる思いを
気ままに綴っています

2022年

闘っていますか!Vol.46

12月、今年のカレンダーも最後の1枚になりました。2022年を振り返ると、今年は、特に、各界で活躍された、多くの著名人が鬼籍に入る年だったように思います。

例えば、国内外を問わず、思いつくだけでも、エリザベス女王(96)、森英恵さん(96)、三宅一生さん(84)、西村京太郎さん(91)、稲盛和夫さん(90)、石原慎太郎さん(89)、オリビア・ニュートン=ジョンさん(73)、安倍晋三元総理(67)と、世代を超えて知られた方の名が並びます。

特に、アントニオ猪木さん(79)や三遊亭円楽さん(72)のお二人は、訃報に接する2ヶ月ほど前まで、その姿をメディアで目にしていただけに驚きであり、命の儚さを感じざるをえません。

10月1日に79年の波乱万丈の人生を終えたアントニオ猪木さんは、『自分らしく闘って死にたい』とリハビリに励む姿をYouTubeで公開し、8月にテレビ出演した際は車いすから『元気ですか!元気があれば何でもできる!』と声を発しておられました。9月30日に旅立たれた六代目円楽師匠も、病に倒れてからリハビリを経て7ヶ月ぶりの復帰となった8月には『みっともなくてもいいから死ぬまでやります』と毒舌を交えて30分もの高座をつとめられていました。お二人らしい言葉で、また、あえて、病と闘う姿を見せることで、多くの人に勇気と元気を与えてくださいました。

子どもの頃、金曜夜8時のワールドプロレスリングをテレビにかじりついて観ていたアントニオ猪木さんの勇姿が、大人になってから、ビジネスマンとして経営や生き方を学ぶなかで、稲盛和夫さんの教えに触れた時に蘇り、重なり合いました。まったく別の世界で生き、今年、共に天に召されたお二人に共通する言葉が、『燃える闘魂』でした。

稲盛さんは、経営者であれば『絶対に負けない』と、いかなる格闘技にもまさる闘争心を燃やさなくてはならない、と説いています。経営でも格闘技でも最後の最後まであきらめずに闘う、あるいは、厳しい境遇や環境と闘い続けることが大切だと説いています。稲盛氏も、アントニオ猪木さんも、お二人とも、その生きる姿や闘う姿を通して、まさに身をもって、生をもって、燃える闘魂、闘争心の大切さを伝え、多くの人に学びと感動を与えて、旅立たれました。

2022年、この一年、『負けてたまるか』と歯を食いしばったことが何度あるでしょう?そして、来年、2023年、世のため人のために生きて、闘うことができるでしょうか?

今こそ、もっともっと闘争心を燃やさないといけないとの叱咤の声が聞こえてきそうです。先人となった方々が残してくださった想いや教えを忘れず、生きて、闘う。その姿を見せるだけでも伝わることがたくさんあると思いたいです。

以 上

<真>
2022年12月

どっちの“副”ですか?Vol.45

後継者に関する悩みは、企業の大小に関係ありません。もちろん、上場企業ともなれば、選択肢は増えますが、創業オーナーが経営者として辣腕を振るい続けているようなら、上場企業といえども、後継の社長を誰にするかは悩ましく、中小企業のオーナー経営者と悩みは同じといえます。

ただ、大企業ともなれば、社外の優秀な人材を一本釣りで引っ張ってくることも可能です。日本電産やユニクロをはじめ、社外の人材を後継社長に抜擢するケースはよくあります。ただ、直近では、社外からの社長登用を続けていた、日本電産が、『外部の人間が内部より優秀だと思っていたのは錯覚で失敗だった』、『企業文化を学んだプロパー社員の方が優秀で世界で戦える』と方向転換したケースもあります。日本電産では、今後、後継社長に関しては、2023年4月に5人の“副社長”を選任し、そのなかから2024年に代表取締役社長を選び、2年以内に新経営体制を構築するとのことです。

さて、この副社長の “副”とは、『主たるものに添えて助ける』『つけ加える』という意味ですが、そもそも、中小企業では、“副”のつく肩書をつけるほど、人材に余裕のある会社は稀かと思います。

「副社長」のほかにも、「副会長」「副部長」「副頭取」「副支店長」「副総理」「副大臣」「副知事」など、組織における立場や肩書を表す際に、“副“は使われます。ただ、同じ“副”でも、その役職に求められる役割や背景は、組織や状況によって様々です。

例えば、社会で“副”のつく役職には2通りの役割や意味合いがあるように思います。それは、

  1. ① 主を支えながら主となることを目指して添う立場
  2. ② 必ずしも主になることを目指すわけではなく、重要不可欠な存在として主を支えることに徹する立場、

という2通りです。

例えば、①の“主”を目指している『副〇〇』には、「副支店長」「副部長」「副大臣」があてはまります。主である上に向かう途上にあり、その一歩手前の立場で支えているというイメージです。

一方、②の必ずしも“主”にはならない、自立した『副〇〇』というのは、「副会長」「副社長」「副頭取」「副総理」「副知事」です。主であるひとつ上の立場を狙わずに“副”で留まることを是とし、その能力をもって主を支えることに徹するイメージです。

もちろんイメージですので、オーナー企業の社長の子息が“次”を担うことを前提に副社長に就くこともあれば、ある種、名誉職のような副会長や副総理でありながらも、あわよくば・・・と狙っている人がいるかもしれません。

“副”という役職を任命する立場にしてみれば、2つの意味合いを持つ“副”の扱いは難しくもあり、うまく使えば有用なものとなります。一方、“副”の立場にある方が、自らの職務を全うしようと頑張る範囲の線引きは難しくもあります。さらに、ふとしたことで、“副”の位置付けは、『主を目指していたはずなのに』とか、『主になるつもりはなかったのに』など、当人の思いに関係なく、急に入れ替わったりもします。
あまり“副”を多用し過ぎると、“副作用”や“副反応”も伴いそうですので気をつけましょう。

以 上

<真>
2022年11月

アマチュアですか? プロですか?Vol.44

先日、数年前に事業承継をお手伝いした、元オーナー経営者の方とお会いしました。もうオーナーでもなく、社長という肩書もなく、ビジネスの世界からは離れているので、社会一般的には、“引退”したということになります。今は、ひとりの人間として、社会のなかで、日々、新しい出会いと幸せをみつけながら、これまでとは、また違った充実感や刺激に満ち溢れた日々を送られていました。“第二”の人生というより、“もうひとつ”の人生といった方がしっくりくるような、まさに、新しい人生を謳歌されていて、ビジネスの話も昔話もせず、今とこれからを楽しく語り、笑い、元気と勇気をもらい、幸せのお裾分けしていただいた気分でした。

“引退”でいえば、フィギュアスケートで冬季五輪2連覇を果たした羽生結弦さんが、競技の第一線を退き、今後は、プロスケーターとしての道を歩むと会見されていました。『引退という言葉が好きじゃないので使いたくない』と、引退会見ではなく、プロ転向という“決意表明”の場でした。
『甲子園に出場した選手が野球を頑張って甲子園優勝しました、プロになりました、というのは引退とはいわない』と疑問を投げかけていたように、フィギュアスケートでは、プロスケーターの世界が確立していないゆえに、“現役=アマチュア”、“プロへの転向=引退”というネガティブな印象が先行しているのは確かです。

競技人生を終えたら引退という感覚は、ビジネスの世界にもあてはまるといえます。経営者でなくなれば、自分では次のステージに進んで頑張っているつもりでも、周囲は、引退したから終わり、第一線から退いた、お疲れ様でした、と捉えがちです。

羽生さんは、『もう別にここのステージにいつまでもいる必要はないかな』と思い、『より上手くなる、より強くなる、より高いステージに立ちたい』と、競技者から“プロアスリート”へと、新しい肩書をもつことを決断したそうです。『むしろここからがスタート。これからどうやって自分を見せていくのか、どれだけ頑張っていけるかが大事。そういう意味では新たなスタートをきったと思っている』と話し、“プロ”としての新しい道を切り拓こうという姿勢には、スケーターならずとも、人として触発されるものがあります。

今後も、北京五輪で挑んだ4回転半ジャンプへの挑戦を続けるそうです。すごい27歳、でも、まだ27歳です。既に、その倍以上を生きてきた世代が同じ気持ちになるのは難しいとしても、いくつになっても課題を持ち続け、挑戦を続ける気持ちは見習いたいです。

“人”としては一生アマチュアかもしれませんが、プロアスリートならぬ、『人生を楽しむ”プロ”を目指し続けます!』と宣言すれば、“第二の人生”ではなく、もうひとつ、別の人生がみつかるのかもしれません。

以 上

<真>
2022年9月

“プラチナエイジ”をご存知ですか?Vol.43

“シルバー” “プラチナ” “ゴールド” ・・・それぞれにどのようなイメージをお持ちでしょうか?

7月5日を“プラチナエイジ”の日として、毎年、東京で「プラチナエイジ授賞式」が開催されています。まだ広くは知られていないものの、今年で8回目になります。

“プラチナエイジ”とは、輝いた人生を過ごしている60歳以上の方を“シルバー”ではなく、永遠に輝き続ける“プラチナ”の世代であるとした呼称です。同世代をはじめ若い世代の夢や目標にもなるような生き方や言動で活躍されている60歳以上の方を表彰して全国に発信し、みんなが年齢を重ねることや自分の未来に勇気や希望を持ち、『こうなりたい!』と思い、『年甲斐もなく』とか『いい年をして』と言うことも言われることもなく、いくつになっても溌剌と輝き続ける人で溢れる社会を目指そうというのが目的です。

確かに、かつての60歳といえば、“赤いちゃんちゃんこ”を着て還暦祝いをするというイメージでしたが、もはや、今の60歳は、気持ちも行動も若く、シニアやシルバーというイメージからはかけ離れてきました。

毎年、“ベストプラチナエイジスト”は、女優や俳優、歌手といった芸能界の方が受賞されています(今年は、藤あや子さんでした。)が、必ずしも華々しさだけではなく、文化・教育、社会貢献、女性活躍、ファッション、美容、健康・スポーツ等の分野で活躍する方にも光を当てています。

今年の一般部門の受賞者は、世界一過酷なトライアスロンに挑む、現役の“世界最高齢アイアンマン”、1932年生まれの90歳、稲田弘さんでした。78歳でアイアンマン世界選手権大会に初出場し、以降2度の最高齢完走を達成しています。ちなみに、昨年は、65歳から運動を始めて5~7時間のトレーニングを日課とする、⾝⻑ 144cm 体重 42kg、1931年⽣まれの“日本最高齢フィットネスインストラクター”の瀧島未香さん90歳。一昨年の2020年は、昼は高田馬場の中華料理店の経営者として厨房に立ち、夜は歌舞伎町のクラブで “世界最高齢DJ”として若者からもリスペクトされている、1935年生まれの岩室純子さんが85歳で受賞されています。

この4月に日本電産のCEOに復帰した77歳の永守会長は、先日の会見で『年齢で引退を決めるのはおかしい。世界には90歳の経営者もいる。』と話されていましたが、プラチナエイジの受章者の方も『年齢はただの数字』と語っていました。

プラチナエイジで共通しているのは、“職”や“立場”ではなく、一人の“人”としての生き方で、今そして未来に向けて輝いているということです。過去に何をしてきたかではなく、今何をしているか、これから何をしようとしているのかを大切に考えています。

燃え尽きてから、『さあ第2の人生を始めよう』というより、余力も多少の未練もリスクもあるうちに踏み出せば、新しい自分に早く出会えるのかもしれません。人としてこれから何をして輝くか。もうひとつの人生をどう楽しむか。みなさんのまわりに人生の規範としたいプラチナエイジはいらっしゃいますか?それとも、もうプラチナエイジでしょうか?

以 上

<真>
2022年7月

“社内取締役”設置の義務化?Vol.42

6月、多くの上場企業が、定時株主総会を開催します。
株主総会では、新しい役員が選ばれますが、上場企業では“女性役員”や“社外取締役”の登用が重要視されており、有価証券報告書への「役員の男女別人数・女性比率」記載の義務付けや会社法では「社外取締役の設置」も義務化されています。

ちなみに、日本では、女性役員の比率は1割にも満たないですが、海外では2~4割が普通です。また、国内の上場企業のほとんどが社外取締役比率3割以上にはなったものの、まだ過半数にはなっていません。(欧米では7~8割が普通とされています。)

未上場企業からすれば、『上場すると大変だな・・・』と他人事でしょう。なので、中堅・中小企業の皆さんに向けては、逆に、『社内(=非同族)取締役比率』を問いかけてみたいと思います。つまり、中小オーナー企業の役員のなかに、オーナー一族ではない、プロパー社員から社内昇格で役員になった“非同族”の役員は何%いらっしゃいますか?という問いかけです。

例えば、同族ではない、会社創業時のメンバーが、専務や常務として役員になっているケースは比較的多いのかと思いますが、それでも2~3割程度でしょうか?会社の規模が小さくなるほど、役員は同族のみという会社がほとんどで、非同族のプロパー人材が(次の社長候補として?)役員に名を連ねているパターンは1割もないのではと個人としては推測します。

代表取締役社長に不測の事態があれば、まず、今の取締役のなかから次の社長が選ばれるはずです。同族でも非同族でも、“次の社長”になる人材が役員に名前を連ねているかどうかが“経営の承継”の準備ができているかの1つの判断材料です。

上場企業のように「定時株主総会」という節目があれば、毎年、役員の任期や新任役員について考える機会もできるのでしょうが、中小企業はそうはいきません。中小企業のプロパー社員が内部昇格で役員になるのにも、きっと、“ガラスの天井”があるのでしょう。

だからこそ、中小企業に『社内(非同族)取締役の設置義務化』をしたら、どうなることでしょう?
大変なのは承知の上ですし、中小企業にとって、“資本(株式)”は、同族会社であることや経営権という意味では大切なものゆえ、とりあえずは、オーナー一族でしっかりと押さえておくことも大切です。ただ、“経営”を担う取締役会は、非同族のプロパー役員(社内取締役)の割合を増やすのも一案です。そうすることで、“資本と経営の分離”が一歩進み、永い目で見たときに、事業承継が円滑に進むようになるはずです。

『いやぁ、そうは言っても・・・』という経営者の方がほとんどでしょう。でも、上場企業も、難しいことは承知で“義務”が突きつけられて、少しずつ変わってきています。まず一人、その一人がなかなか難しいのですが・・・、努力なしでは許されない時代になってきました。

以 上

<真>
2022年6月

持ち家派?それとも賃貸派?Vol.41

春、引越しのシーズンです。東京都では、コロナを契機に住まいのありかたが再考されたこともあり、昨年、人口が26年ぶりに減少したそうです。

さて、住まいのありかたを考える際の選択として、“持ち家”か?“賃貸”か?という“二者択一”がありますが、M&Aで事業承継のありかたを考える際にも3つの“二者択一”があります。譲渡相手は、『同業?異業種?』、『県内企業?県外企業?』、『事業会社?ファンド?』、どちらを前提に考えますか?という“二者択一”です。

同業でもいいか、近隣の会社がいいかは、判断しやすいでしょう。ただ、3つめの『事業会社か?ファンドか?』という二択は、『よくわからないけど、事業会社。』と直感で答える方がほとんどかと思います。

実際に、譲渡相手を探している中小企業のオーナー経営者からは、『ファンドはNG!』と頭ごなしに言われることが多々あります。確かに、ファンドには、まだネガティブなイメージがつきまといますし、誰もが知っている上場企業が譲渡相手であれば、社員の驚きも緩和される気がします。オーナー経営者の頭には、常に『株式譲渡のことを話した際に社員にどう思われるか』という不安があります。

ただ、現実に、譲渡相手としてファンドを選ぶオーナー経営者が増えてきているのは、やはり、そのメリットを感じているからであり、いずれの選択にもメリットとデメリットがあるゆえ、正解も不正解もありません。

ということで、『事業会社か?ファンドか?』という二択は、『持ち家か?賃貸か?』を選ぶ際の思考に似ているような気がしました。住まいを決めるにあたり、持ち家と賃貸のどちらがいいかは、前提条件によっても変わりますし、その良し悪しは一概に言えません。また、経済合理性だけではなく、ライフスタイルや将来の暮らしへの考え方など、価値観の違いでも、その選択は変わります。

事業会社かファンドかという二択でも、ファンドは『よくわからない』、『また誰かに売る』、『事業の相乗効果がイメージしづらい』という漠然とした不安を感じられるのかと思います。一方、事業会社では『親会社次第で経営方針が変わる』、『企業文化や考え方の違いが日に日に顕著になる』など、事業会社だからうまくいくとも限りません。ゆえに、『事業会社か?ファンドか?』という二択も、『持ち家か?賃貸か?』と同じように、まずは先入観なく、同列で並べたうえで、主(オーナー経営者)は判断する必要があります。

住まい(会社)が、家族(社員)が幸せに暮らし(働き)育って自立していく場になるかどうか。
特に、事業承継の場合は、主(オーナー経営者)が、家族(社員)と“一緒に暮らす”住まい(会社)ではなく、家族(社員)に“残していく”住まい(会社)になります。家族(社員)の顔を思い浮かべながら、自信をもって“この住まいに決めた理由”を話せることが大切です。

ちなみに、「住宅・土地統計調査(2018年)」によれば、持ち家率は全年齢で61%、年代別では「20代:6.4%、30代:35.7%、40代:57.6%、50代:67.6%、60代以上:79.8%」だそうです。

中小企業のオーナー経営者の価値観として、『賃貸派はファンドを選びがち』、『持ち家派は事業会社を選びがち』という相関関係がありそうな気がしますが、私だけでしょうか?

以 上

<真>
2022年4月

夢を叶える方法Vol.40

2022年、今年の目標はもう立てましたか?仕事でもプライベートでも、『今年こそ!』と、いつになく真剣に考えておられる方に“夢を叶える方法”のご紹介です。

昨年、米・メジャーリーグで大活躍した大谷翔平選手(27歳)は、小学3年から野球を始め、高校3年でアマチュア史上初となる球速160km/hを記録、2013年にドラフト1位指名で日本ハムファイターズに入団、その後の日米での活躍はご存知の通りです。その大谷選手が高校1年の時、監督の指導で夢の実現に向けて作ったとされるのが、『マンダラート(マンダラチャート)』という、いわゆる“目標達成シート”です。

その作成法は、まず、はじめに3×3の9つのマスを書き、その中心に達成したい目標を書きます。次に、その周囲の8マスに「目標達成に必要な事柄」を書いていきます。9マスから成る1つのブロックが完成したら、周りの8マスに書いた事柄を中心とした3×3のブロックをまた同じように完成させます。こうして思考を深めながら、最終目標に向けて取り組むべきことを8つに分類し、さらに8つに細分化し、具体化していきます。

マンダラート(マンダラチャート)

大谷選手の当時の最終目標は、『ドラフト1位 8球団』でした。その目標達成のために必要な8マスは、「体づくり」「コントロール」「キレ」「スピード160km/h」「変化球」「メンタル」「人間性」「運」という8つの事柄で埋められています。才能だけでなく、こうした思考や努力があったからこそ、大谷選手は「ドラフト1位指名」という目標達成にとどまらず、メジャーリーグで数々の新記録を残してMVPに選ばれるという、今の活躍があるのでしょう。

そこで、特に、オーナー経営者の方には、ご自身の『マンダラート 事業承継版』の作成をお薦めします。最終目標は、『2025年 事業承継』と設定します。そして、最終目標を取り囲む8マスは、例えば、「後継者(信頼)」「業績(安定)」「成長」「財務(現金)」「社員(信頼)」「顧客(つながり)」「家族(理解)」「生きがい」とでもしましょう。さらに、その周囲の8マスは・・・ぜひ考えてみてください。この9×9の81マスが埋まれば完成です。目標を立てるだけでなく、目標達成のためにやるべきことを明確にし、日々努力する。経営者の最後の大仕事である“事業承継”を達成するための有効な方法の1つです。

ちなみに、大谷選手の『運』を囲む8つのマスは、「あいさつ」「ゴミ拾い」「部屋そうじ」「道具を大切に使う」「審判さんへの態度」「プラス思考」「応援される人間になる」「本を読む」でした。非常に具体的で、青年らしい真直ぐな気持ちが伝わってきます。新年、私も、まずは“運”を呼び込むため、高校生の大谷君を見習うところから始めてみます。

以 上

<真>
2022年1月