ニュースリリース

2011年12月28日

株式会社林鍛造所がMBOにより独立
JPE3号ファンド 同族経営陣への株式譲渡で自立を後押し

日本プライベートエクイティ株式会社
URL: https://www.private-equity.co.jp

この度、日本プライベートエクイティ株式会社(以下 「JPE」)は、同社が運営するMBOファンド『JPE・プライベートエクイティ3号投資事業有限責任組合』(以下「JPE3号ファンド」)で保有する、株式会社林鍛造所(本社:石川県かほく市。以下「林鍛造所」)の発行済み株式の全株を、現代表である林浩市氏らが設立した持株会社(株式会社ハヤシ・ホールディングス)に譲渡いたしましたので、下記の通り、お知らせいたします。

  1. 本件概要

    本件対象会社となる林鍛造所は、1929年に林市太郎氏が創業者として鍛造品の製造販売を目的に設立し、以降、主に建設機械用の鍛造品を製造、地元業界を代表する企業として着々と業容を拡大してきました。
    同社は、創業80年という節目の時期を迎えた2009年に「事業承継問題の解消」と「企業の永続的な発展」を目的として"事業承継ファンド"を活用することで、外部から資本と人材を受け入れ、現経営陣を中心としながら、経営体制を強化し、事業基盤の安定化と持続的な成長の実現を図ってきました。
    JPE3号ファンドは、林鍛造所の技術力や品質管理体制を高く評価し、2009年4月に、事業承継投資として株式100%を取得、当時、常務取締役でオーナー会長の甥であった林浩市氏が代表取締役社長に就任しました。あわせて、JPE3号ファンドは、常勤取締役や経営企画室長を派遣することで経営体制の強化を図ったほか、非常勤取締役および監査役も含め、経営陣と一体となって企業価値の向上に取り組み、特に、事業承継直後、リーマンショック後の厳しい経営環境下でも人員を削減することなく乗り越え、現在では、リーマンショック以前の勢いを取り戻して、堅調な業績を維持しています。
    今般、林鍛造所としては、JPE3号ファンドによる株式譲受と経営参画から3年を経て、現代表を中心とした経営基盤の確立が進み、自立した経営が実践できる体制になったことから、より長期的な視野の下で新しい成長戦略を構築する時期が来たと判断し、MBO(Management Buy-Out)を決断するに到りました。今回のMBOにあたっては、地域の金融機関も持株会社の資金調達に際して全面的に支援し、同族の経営陣が主要株主となる持株会社が林鍛造所の100%株主となりました。
    また、JPE3号ファンドとしても、今後も、旧オーナー一族を中心とした現経営陣と社員によって、長期的かつ自立的な経営が実践できるのであれば、林鍛造所にとっては最も望ましい選択であると判断し、ファンドとしての総合的な判断の下、保有する全株式を譲渡することで、友好的かつ発展的な継承を実現することといたしました。

    株式会社林鍛造所がMBOにより独立 - JPE3号ファンド 同族経営陣への株式譲渡で自立を後押し -
  2. 中小企業における事業承継ファンド活用のモデルケース

    JPE3号ファンドは、「後継者問題に悩む中小企業の事業承継」や「大企業の事業再編」を資金面と経営面から支援するため、株式会社日本政策投資銀行や株式会社日本M&Aセンター、日本アジア投資株式会社の出資を得て2008年に設立され、中小企業の事業継続と企業価値向上の実現を支援しています。本件は、JPE3号ファンドの投資先から初めてEXITするケースとなります。
    まだ、日本において中小企業が"ファンド"を活用して事業承継問題の解決に取り組む事例は少ないものの、中小企業の事業承継問題には、中小企業庁をはじめとして国を挙げての取り組みがなされており、本件のように、地域に根差した優良な中小企業がファンドを活用しながら、地域と一体となって事業継続を果たしていくという形は、今後、地域活性化や地場産業の再編強化といった観点でも示唆に富むものと考えます。
    また、一般的には、"ファンド"による経営関与やEXITに対する警戒感が根強いなか、本件は、企業が自立を目指すなかでファンドはあくまでも"次の時代への橋渡し役"であるということを実践したケースであり、特に、事業会社へのM&A(売却)という形ではなく、同族を中心とした経営陣によるMBOという形は、事業承継ファンドを有効に活用した事例として、後継者問題に悩む多くの中小企業やものづくり企業に対しての1つのモデルケースになるともいえます。
    今後も、円高の長期化や産業の空洞化が進み、日本の製造業のあり方や地方の中小企業の存在意義が問われるなか、JPEとしては、引き続き、"変えるべきところと変えるべきでないところを見極め、変えるべきところを変え、変えるべきでないところは変えない"という考え方の下、日本に残すべき中小企業の事業継続と企業価値向上を支援していきます。

  3. 各社概要

    株式会社林鍛造所 http://www.hayashi-forging.co.jp/

    本社所在地 石川県かほく市宇気い5番地
    設立 1969年12月(創業 1929年5月)
    資本金 75百万円
    代表者 林 浩市
    従業員数 67名
    事業内容 一般車輌及び諸機械部品の熱間・冷間鍛造と機械加工、各種金型製作、
    熱処理加工

    日本プライベートエクイティ株式会社 https://www.private-equity.co.jp/

    本社所在地 東京都千代田区九段北1丁目14番21号
    設立 2000年10月
    資本金 60百万円
    代表者 法田 真一
    事業内容 中小企業の事業承継や事業再編を対象としたプライベートエクイティファンドの運営、コンサルティング
  4. 本件に関するお問い合わせ先

    日本プライベートエクイティ株式会社
    東京都千代田区九段北1丁目14番21号 九段アイレックスビル6F

    Tel:03-3238-1726 Fax:03-3238-1639
    担当: 企画部 (info@private-equity.co.jp

    以 上